オーダーメイド低温転写紙は、高解像度・高彩度・フルカラーで家庭用オーブンで焼き付ける低温転写紙です。
水転写紙でありながら実用上十分な耐水性を有し食洗機、電子レンジOKです。
デジカメ写真、オリジナルイラスト、ロゴなど何でもお気軽に転写紙にでき、高価な電気炉を用いずに陶器、ガラス、金属への絵付けができます。
ここは一般ユーザ向けの低温転写紙および付着液の購入ページです。
低温転写紙には、ふちあり、ふちなし、メタリックの3つのタイプがあります。
ふちありは、印刷面の全面に透明な有機フィルム(カバーコート)が被さります。そのため印刷面が保護され耐久性が向上しますが、ふちが残るという欠点があります。
ふちとは転写紙の切り口が透明なセロハンテープのように残ることです。このためふちあり転写紙では、どうしてもシールを貼った感が多少は出てしまいます。
これをなくすための転写紙がふちあり(極薄)です。カバーコートの厚みを薄くすることでシールを貼った感がなくなり、非常に綺麗な仕上がりになります。しかし、その反面、転写するときに転写紙が破れやすいという欠点があります。低温転写紙は専用付着液で貼りつけるので水中に長時間浸しても問題ありません。この転写紙を使うときは力を掛けて台紙から転写紙を横滑りさせるのではなく、自然に剥がれる程度まで水中につけてください。それでも、この転写紙の使用には非常に高いスキルが必要になりますので、プロ用とご理解ください。
ふちなしは、印刷された顔料のみが最終的に対象物に残ります。転写紙デザインの外周に沿って切り取れないイラスト・文字などに適しています。
ただし、貼り方は少し特殊でオーブンで加熱後に印刷面に被さるカバーコートを剥がす必要があります。
これにより印刷面が直接表面に現れるので、耐久性や表面光沢を求める場合には、最後にクリアーラッカースプレーを全面にかけることをお勧めします。
メタリックは、ふちなしタイプの転写紙の表面に金属箔を貼りつけた転写紙です。プリンターでは出せない金属光沢を出すことができます。使用方法はふちなしタイプと同じですが、オーブンでの加熱温度は100度程度で低温でカバーコートを剥がしてから再加熱で付着強度を上げる必要があります。金属箔を貼りつけるので電子レンジの使用は不可となります。
オーダーメイド低温転写紙の貼り付けには、専用付着液が必要です。初めてのご購入の方は転写紙と合わせてご購入ください。付着液には一般型、高耐水型とドライヤー用があります。
一般型付着液は1液型の付着液です。使用法は、転写紙を貼りつける対象物の表面に数滴たらし、筆などで均一に広げた後、転写紙を貼りつけポーセラーツ転写紙と同様にゴムヘラなどで排水します。この付着液で貼り付けた場合、長時間水に浸したあとで、爪などで無理に剥がそうとすれば剥がれることがあります。
また、食洗機は大丈夫ですが煮沸すると剥がれやすくなります。耐水性は生活防水レベルとお考えください。1枚の転写紙の貼り付けに必要な付着液は数滴ですので100ccの付着液で百枚以上の転写紙を貼りつけることができます。
高耐水型付着液はA液とB液の2液型で、転写紙を貼りつける対象物の表面に数滴のAB液をたらし、両者を混合したのち転写紙を貼りつけます。オーブンで加熱後は食洗機はもちろんのこと煮沸しても剥がれない耐水性が得られます。ただし、A液100cc、B液100ccのセット販売で量も多く価格も高くなりますので、初心者の方は一般型を購入することをお勧めします。
ドライヤー用付着液は1液型の付着液で、オーブンでは加熱できないプラスチック素材やオーブンに入らない大型素材への低温転写紙の貼り付けに使用します。加熱には汎用のドライヤー・ヒートガンを用います。温度管理ができないのでドライヤー・ヒートガンのパワーと対象物との距離、加熱時間などを経験的に調整して焼き付けます。このため貼り付けには高いスキルが要求されますが、作品の幅を大きく広げることができます。プロ用の商品とご理解ください。
低温転写紙の可能性
従来の低温転写紙は、「爪で簡単に剥がせる」「水に触れれば剥がれる」などの理由で、とても本格的なポーセリンアート・ポーセラーツ用転写紙の代替はできませんでした。
しかし、もしもこれらの弱点が解消されたらどうでしょうか?高価な電気炉を使用しないで、家庭用オーブン、ドライヤーで陶器だけでなく、金属、ガラス、プラスチックの上にも自由に絵付けできるのです。
これは大げさに言えば、印刷業界の革命とも言えます。現在の印刷技術では、一般の人は紙かシールの上にしか印刷できず、マグカップなどへの直接印刷は非常に高価なプリンターを持つ印刷業者にしかできません。
オーダーメイド低温転写紙は、この状況を根底から覆す可能性があります。
例えば、皆様のキッチンに100角の白色タイルが貼ってあるとします。これを装飾タイルに変えようと思えば、紙に印刷して貼り付けるか、タイル交換の工事をするしかありません。
紙やシールを貼れば、貼った感が拭えませんし時間とともに剥がれてそこにゴミが付きます。それでいて剥がそうとすると結構大変な作業になります。
一方、タイル交換はお金がかかりますし、デザインに飽きても再度交換するのは大変なことです。
しかし、オーダーメイド低温転写紙を使えば、100角でしたらA4版で4枚取れますので、400円/枚程度の価格で好きなデザインを貼ることができます。
写真でもイラストでも何でも可能で、発色はポーセリンアート・ポーセラーツ用転写紙よりも、また、スクリーン印刷する市販の低温転写紙よりも格段に綺麗です。色数も無限です。
貼るのに必要な道具はいつもお使いになっている汎用ドライヤーだけで、作業時間は10分程度です。長く使って汚れが付いたら中性洗剤で洗ってください。
それで剥がれることはありませんし、もしも、デザインに飽きたらラッカーシンナーで拭ってもらえれば画像は簡単に落とせて白色タイルに戻ります。
別の例は、スマホケースです。いつも持ち歩くのでしたらファッションに合わせてケースも変えたいかもしれません。しかし、気に入ったデザインのものがありますか?
ポーセラーツの先生方のセンスで見れば、買いたいようなデザインのスマホケースはないと思います。
それでしたら100円ショップで透明プラスチックのケースを買い、オーダーメイド低温転写紙で絵付けしてください。
CMYKのフルカラーだけでなく、ゴールド、シルバー、ピンクなど10種類以上のメタリック印刷が可能です。
仕上げにストーン、ポリマークレイ、メタルアクセサリー、UVレジン、リボンなど何でも使えます。
原価は僅かなものですが、もしも、先生方のセンスでこんなスマホケースを作ったら、一体、いくらで売れるのでしょうか?
さらに、別の例は結婚式のウェルカムボードです。これは陶器の必要がありますか?プラスチックで良ければオーダーメイド低温転写紙で装飾してください。
オーダーメイドですから写真も自由に入れられますし、メッセージを入れるのも自由です。電気炉で焼く必要もないので大きさも形も自由です。
このウェルカムボードの原価もわずかですが、一般的な販売価格で売るとするとどの位の利益になるか考えてみてください。
以上を考えると、オーダーメイド低温転写紙は新しいビジネスの宝庫だと言えます。
タイルに焼き付けたふちありタイプのスキャン画像
タイルに焼き付けたふちなしタイプのスキャン画像
表面光沢を出すにはこの上からクリアーラッカーのスプレーを薄く吹きかけてください
メタリック転写紙に使用する金属箔の写真
タイルに焼き付けたメタリックGoldの写真
アクリル板に焼き付けたふちり、ふちなし転写紙のスキャン画像
オーダーメイド低温転写紙:ふちありタイプの使用法
低温転写紙は高温で焼成する陶磁器用転写紙と使い方が異なりますので、ご使用の前に説明書をお読みいただくようお願いします。
1) | 転写するデザインの周囲で転写紙を切り取ってください。切り口(ふち)が残りますのでデザインの外周に沿って切り取ることをお勧めします。 |
2) | 貼り付ける対象物の表面をアルコールあるいは中性洗剤で洗浄し油分を取り除いてください。 |
3) | 一般型付着液を転写紙の貼られる表面にスポイトで数滴垂らし、ゴムヘラや筆などで均一に広げてください。 |
4) | 転写紙を水に浸してください。 |
5) | 水中で転写紙が台紙から滑ることを確認し、台紙ごと対象物上に移動して印刷面が下面で台紙を上にして(逆貼り)目標位置で転写紙を滑らせてください。 |
6) | 余分な水分をティッシュで拭った後、貼り付け位置を調整しゴムヘラで排水してください。排水により位置が固定されます。 |
7) | 室温で十分乾燥したのち、オーブン(100-160℃)で10-20分間加熱して焼き付けてください。 |
オーダーメイド低温転写紙:ふちなしタイプの使用法
低温転写紙は高温で焼成する陶磁器用転写紙と使い方が異なりますので、ご使用の前に説明書をお読みいただくようお願いします。
1) | 転写するデザインの周囲で転写紙を切り取ってください。なるべく周囲に余白を残すように切り取ってください。 |
2) | 貼り付ける対象物の表面をアルコールあるいは中性洗剤で洗浄し油分を取り除いてください。 |
3) | 一般型付着液を転写紙の貼られる表面にスポイトで数滴垂らし、ゴムヘラや筆などで均一に広げてください。 |
4) | 転写紙を水に浸してください。 |
5) | 水中で転写紙が台紙から滑ることを確認し、台紙ごと対象物上に移動して印刷面が下面で台紙を上にして(逆貼り)目標位置で転写紙を滑らせてください。 |
6) | 余分な水分をティッシュで拭った後、貼り付け位置を調整しゴムヘラで排水してください。排水により位置が固定されます。 |
7) | 室温で十分乾燥したのち、オーブン(100℃)で10分間加熱して焼き付けてください。 |
8) | 十分冷却したのち転写紙の端にカッターを当ててオーバーコートを剥がします。 |
9) | オーブン(130-160℃)で10-20分加熱して焼き付けてください。 |
オーダーメイド低温転写紙:メタリックタイプの使用法
基本的にふちなしタイプと同じです。ただし、最初の加熱温度は100-120度と低くなり、オーバーコートを剥がした後に再加熱での焼き付けが必要になります。焼き付け条件は使用するオーブンにより異なりますので、最適な条件はご自身で決めてください。この意味でメタリックは熟練者用と考えてください(質問は常時受け付けます)。
一般型付着液の使用法
平坦な表面を持つ対象物にオーダーメイド低温転写紙を貼りつける時に付着液として使用します。 ただし、木材、レンガ、素焼きなど凹凸のある表面、あるいは、紙など吸水性のある表面には使用できません。 使用法は、白磁など対象物の表面に数滴垂らし、筆などで均一に広げて、転写紙を印刷面を下のする逆貼りで貼った後はゴムヘラで排水してください。 転写紙の位置が固定したら、水を含ませたティッシュで転写紙の上や周囲に残る付着強化液を拭ってください。 付着強化液の硬化には100℃以上での過熱が必要です。
高耐水型付着液の使用法
平坦な表面を持つ対象物にオーダーメイド低温転写紙を貼りつける時に付着液として使用します。A液とB液をスポイトで数滴対象物の表面に垂らし、筆などで均一に広げて、転写紙を印刷面を下のする逆貼りで貼った後はゴムヘラで排水してください。その後の使用法は一般型と同じです。
専用付着強化液の安全性
皮膚等についても炎症等をおこすことはありませんが、飲むことはできません。お子様の誤飲を避けるため、密封してお子様の手の届かない所に保管してください。 皮膚にについた場合、特に目の中に入れた場合は大量の水で即座に洗い落してください。
ご注文のフローチャートを下に示します。
原稿の入稿(原図の作成のお手伝いも含め全て無料)
お気軽に原稿を入稿してください。画像ファイルの形式は、pdf, eps, svg, ai, jpg, bmp, png, gifなど何でも結構です。 手描きの原稿やデジカメ写真は郵送での入稿も可能です。スキャナーで取り込んで転写紙を作り商品とともに原図を送り返します。 画像ファイルは、必要に応じて明るさ・コントラスト・彩度調整、高解像度化処理を行います。 印刷はすべてA4サイズとなります。周囲5-6mmは印刷できませんのでご注意ください。
5Mb以上の大きなサイズのファイルは下の原稿入稿口から、それ以下の小さなファイルは、直接、shopmaster@ceram-arts.comへメールの添付ファイルで送ってください。 ばらばらのパーツでも結構です。ほぼ即日で完成イメージを送りますので、その後はメールのやり取りで原図を修正し最終版を作ります。
1. | イラストレータで新規ファイルをサイズA4(縦または横)で作ってください。 |
2. | A4サイズの枠を2pt黒で描いてください←重要 |
3. | デザインを創ってください。ただし、外周5mmは印刷されません。 画像を使用する場合は最低でも350dpi以上のものを使用してください。 |
4. | jpg形式で保存してください(ファイル名:name_year_month_date-number) イラストレータでの操作手順:ファイル→書き出し→JPEGを選択→保存 カラーモード:CMYKを選択(重要) 画質:最高を選択 圧縮方式:ベースライン(標準)を選択 解像度:その他を選択し500を入力 (重要) アンチフェリアス:文字に最適またはアートに最適を選択(内容によります) ICCプロファイルを埋め込むのチェックを外す(重要) |
5. | 原稿入稿口からjpg画像ファイルを入稿してください(500dpi割引き希望と記載)。 |
6. | セラムアーツから割引が適用されるかどうかのメール連絡が入ります。 |
8. | ご入金確認後に印刷して発送します(完成イメージの確認はありません)。 |