2020年7月 コロナ後の社会とポーセラーツビジネス
○必要なくなったものと必要なのになくなったもの
コロナウイルスの猛威は7月になっても収まるどころか、一部地域では新規感染者数が増えている状況です。
しかし、いずれは収束するものと信じてここではコロナ後の社会について考えてみたいと思います。
日本は欧米諸国に比べコロナウイルスの被害が少なかったものの、社会に与える影響は甚大であったと言わざるを得ません。
その中でもコロナの負の影響を特に強く受けたのは、いわゆる「夜の街」であると言われています。
日本のサラリーマンの多くは仕事が終わったあと同僚と一杯飲みにいき、時には2次会と称してスナック、バー、パブ、キャバレーなどに行きます。
それらの店にはホステスと呼ばれる女性がいて、お客様の隣に座りお酒を作ったり話し相手になったりします。実はこのような女性のいる夜の店は日本と韓国にしかないそうです。
自分もアメリカやヨーロッパの街に行ったことはありますが、確かに女性がお酒を作ってくれるお店はありませんでした。
日本のサラリーマンは何故そのようなお店に行くのでしょうか?彼らにそう聞けば仕事の疲れを癒すためと答えるでしょう。
ホステス達は彼らのしょうもない自慢話や愚痴をイヤな顔をせずに優しく聞いてくれ、カラオケのデュエットも快く引き受けてくれます。通い詰めれば擬似恋愛もさせてくれます。
しかし、出されるお酒は家で飲むものよりもレベルが低く、酒の肴は奥さんの手料理とは比べ物になりません。
また、本当に辛いときに親身になって話を聞いてくれるのは奥さんであることは言うまでもありません。夜の店に行けば一回数千円から数万円のお金がかかります。
コロナ騒ぎにより夜の街は営業自粛となり、男達は行きたくても行けなくなりました。家に閉じ込められて長い間家族と過ごした男達は、そこで素朴な疑問を持ったのです。
「なんであんなとこ行ってたの?別に行かなくても平気じゃん」「同じ金を使うなら家族で美味しいものを食べた方がいいんじゃね」考えてみれば当たり前のことです。
コロナ後の社会では、サラリーマンは仕事が終わったらそのまま家に帰り、家族との触れ合いのなかで癒しを求めるようになるでしょう。
世界的にみて特異な日本の夜の文化が終わり、欧米と同じになっただけです。つまり、必要ないものがなくなったということです。
コロナ騒ぎの中で陶芸アート・ポーセラーツ関係者にショックを与えたニュースは、原宿陶○舎の閉校ではなかったでしょうか。
これは必要なのになくなったものです。自分も一度訪問させていただきましたが、素晴らしい場所にある教室で生徒さん達が楽しそうに絵付けをしていました。
陶芸アート・ポーセラーツ関係者にとってはシンボリックな場所だったと思います。
閉校の直接的な原因はコロナウィルスの影響のようですが、おそらく徐々に生徒さんの確保が難しくなっていたのではないかと想像されます。
綺麗な食器を自分の手で作れば作製者は作る喜びを得ることができます。これは人生を豊かにします。
おそらくほとんどの生徒さんは閉校を望んでいなかったでしょうし、できれは勉強を続けたいと思っていたはずです。
しかし、不景気とコロナ騒ぎが重なり、衣食住にかかる経費が優先され、人間にとって本来最も重要な心の豊かさのための出費を削らざるを得なかったのではないでしょうか。
原宿陶◯舎の閉校は誠に残念ではありますが、ポーセラーツでビジネスを考える時には覚えておかなければならないことです。
○ポーセラーツで作る食器を売るビジネスは成立するのか
セラムアーツは、専業主婦の方が在宅ビジネスで小さな収入を得るためのお手伝いしたいと考えて設立しました。
自分はセラミックスが専門なので最終的に陶磁器用のオーダーメイド転写紙の作製販売というビジネスにたどり着きました。
その過程でポーセラーツの先生方が作る作品を見たときの衝撃は今でも覚えています。
こんな綺麗な食器が世の中にあるのか、日本女性のセンスは素晴らしい、これを世界に向けて販売できれば大きなビジネスになるのではないか、などです。
この考えは今でも変わっていません。しかし、最近になって、食器というのは在宅ビジネスで取り扱う商品として適しているのかという疑問を持つようになりました。
その理由と食器に代わるであろう商品について以下に述べます。
食器をネット販売する時に、まず、問題となるのが梱包と発送です。割れ物ですから梱包には非常に神経を使うでしょうし、大きさも様々なので大量の梱包資材を用意しておく必要があります。
大型の箱に入れるので宅急便等の発送費も安くはないでしょう。万が一、輸送中に破損した場合は当然保証が必要になりそれで利益は完全に無くなります。
お客様によっては、自分が破損した場合でも最初から割れてたという人もいるでしょう。それでも証拠がなければ保証はしなければなりません。
次に問題となるのが商品カタログです。食器は種類と柄があるので商品数は膨大になります。とても在庫として持てないので、過去に作った作品の写真などをカタログ上に載せることになります。
しかし、注文が入ったら寸分違わずその作品を再現しなければなりません。在庫なしでは注文が入ってから白磁も転写紙も購入しますが、限られた納期でそれが可能でしょうか。
また、クレーム対応も大変です。お客様によっては少しでも絵柄に不備があれば交換を要求します。
例えば5つのティーセットで1つのみを作り直すのは、やる気もしませんし、それだけで赤字になる恐れもあります。また、ワンセットで1万円を越す食器を一体何人の人が買うでしょうか?
心は豊かにするけど衣食住に必須ではないのです。つまり、結論として高級な食器のオーダーメイド品は在宅でのネット販売には向かないということです。
綺麗な食器を作れば作製者は作る喜びが得られます。お友達にプレゼントすれば心のこもった手作りの品としてとても喜ばれます。
いずれも人生と心を豊かにする経験です。しかし、だからと言ってビジネスで取り扱う商品として向いているとは限らないということです。
それではポーセラーツ愛好家がネット販売するとしたら、食器に代わる商品は何でしょうか。それを知るにはコロナ後の社会の変化ついて考えなければなりません。
日本の社会は徐々に徐々にアメリカ社会へと近づいていきます。アメリカの家庭に行くと食器は極めて質素なもので、ポーセラーツで作るような装飾性の高い食器など見たことはありません。
しかし、アメリカの家庭には必ずあるのに日本の家庭にはないものに気がつきます。それは部屋の一角を飾る多くの家族写真や家族の歴史を物語る写真です。
夜の街から家庭に戻った日本の男達はおそらく同じものを飾るのではないでしょうか。アメリカのサラリーマンはオフィスの机の上に必ず家族の写真を置きます。
コロナ後の日本でもそれが当たり前になるのではないかと思います。
この20年で写真の技術にも大変革がありました。昔のフィルムと印画紙を使った写真は全くなくなり、写真はスマホで見るものになりました。
しかし、部屋の一角にはやはり額に入れた写真を飾りたいものです。実はこれが難しくなったのです。
スマホで撮った写真を印刷する人は一体どの位いるでしょうか。そのためにプリンターを買う気もしませんし、どこかに頼むのも面倒です。
それと印刷した写真は数年程度で色がさめてきます。昔の印画紙の写真も年とともに古くなりましたが、それはそれで趣きもありました。
しかし、今のプリンタで印刷した写真は単に色がさめるだけです。デジタルなのでそうなったら印刷し直せば良いだろうとはなりません。
子供が赤ちゃんだったころの写真は、その写真自体が思い出であり、印刷し直したら価値は半減します。実際そんなことは誰もしません。
そうであれば、永久に色あせしない陶器の写真は新たな価値を生み出すのではないでしょうか。つまり、ネット販売するなら食器ではなく写真陶板ではないかと思うのです。
○「写真陶板キット」を使った在宅ビジネスの提案
既存のタイルで写真陶板としてよく利用されるのが、100mm角と200mm角の寸法のものです。
しかし、正方形ではデザインに制限があり、写真立てや額縁の種類も限られたものになります。
できれば、普通の写真のサイズであるL版、葉書サイズ、2L版などが欲しいところです。
そこで、異形タイルを特注で作ってくれる会社を探しましたが、金型だけで100万円以上になるとのことで、とても素人が発注できるようなものではないことがわかりました。
買えないなら作るしかないのですが、セラムアーツにはタイル製造設備はありませんので、既製品のタイルからL2サイズ(127 x 178mm)と葉書サイズ(100 x 148mm)をカットすることにしました。
切断機を購入し作動させてみましたが最初はタイルが粉々に砕けてしまいました。
何回かの試行錯誤の後、切り口に多少ギザギザはのこるものの額縁に入れれば十分目的を達するレベルになりましたので、このたび「フォトセラム(写真陶板キット)」として販売することとしました。
この写真陶板キットを使って在宅ビジネスをしたい方は、次の手順を考えてみてください。
1)2Lサイズまたは葉書サイズ内に写真とともに入るデザイン・装飾を創る。文字も可能。
2)最初は口コミで販売を開始して、お客様から焼き付ける写真のファイルを受け取る。
3)デザインと写真を別々でセラムアーツにファイルを送る。色調整が両者で異なるため。
4)完成イメージを確認したら写真陶板キットを購入する。商品はネコポスで発送。
5)商品を受けとったらタイルに転写紙を焼き付ける。金彩などを除き1回焼成で作品を作るようにする(←重要)。
6)作った作品を元の封筒に戻し納品書、領収書を同封して、宛名を張り替えて注文者にネコポスで発送する。
こうすることにより、在庫も梱包資材も用意する必要がなく、商品の出荷後の廃材もなしに収益のみを得ることができます。
ご注文をするお客様のニーズに合わせて、家族の思い出、結婚、出産、ペット、遺影などにあったデザインを考えてください。
これはポーセラーツの先生方にとってはお手のものだと思います。いつもお創りになっている食器のデザインを少し応用しただけで、見たこともないような斬新な写真陶板になるはずです。
金彩やラスターなどを入れれば付加価値は非常にあがり、高額での販売が可能になると思います。
さて、販売価格ですが、写真陶板をキーワードにしてネットで検索すれば既製品の価格がわかると思います(当社で写真転写紙を作った方は、是非、写真の発色も比較してください)。
既製品の価格を参考にした上で販売価格は皆様が自由に決めてください。
同じ品質の製品でしたら値段を半分にしないと既に形成された市場に参入することはできないと言われています。一方、写真陶板は芸術ですので値段の上限はありません。
当社としては個々の販売価格は関知しませんが、誰かが薄利多売をするため低い価格を設定すれば、その後全員が苦しむことになることだけは覚えておいてください。
対象となるお客さまはほぼ無限にいますので、お客さまを奪い合う必要は全くないのです。
ビジネスが成功するかどうかは販売力で決まります。最初は学生時代の友達や知り合いにメールを送って買ってもらいましょう。「時代を先取りして専業主婦が在宅ビジネスを始めたので、どうかご協力ください」と言えば、一枚くらいは買ってくれます。
評判が良ければ知り合いに紹介してもらい少しずつ顧客を増やして行きます。専業主婦の在宅ビジネスは、コロナ後の社会では、時代を先取りする憧れの仕事なので胸を張って堂々とやりましょう。
とりあえず販売を開始して、一定以上の収入が得られてから個人事業主の申請か、あるいは、会社を設立します。支払いは銀行振込のみにすればカード決済の申請などの余分な仕事を避けられます。
また、ブログを持っている方はそこで販売しましょう。ただし、WEB上での宣伝はコストに見合う効果がないのでやめて、そのかわりグーグル検索のSEO対策を自分でやってください。
写真陶板の販売で額縁をどうするかは重要な課題です。セラムアーツで販売するタイルの厚みは5.5mmです。
通常の額縁ではガラスが1-2mm、写真は0.2mm程度で、その厚みに合わせているので、製品によっては厚いタイルを入れるためDIYでの加工が必要になります。
額縁の扱いでビジネスの形態は2つに分かれます。
1)額縁つきの商品として販売する場合
額縁を在庫として持っておくというディメリットがありますが、額縁にも利益をのせて販売価格を設定するので、利益が大きくなるというメリットもあります。
売り物ですからDIYは本格的にやる必要があります。厚いタイル用の額縁は購入できないのでこの作業で付加価値は上がります。額縁に造花を添えるなどの工夫をすれば付加価値はさらに上がります。
梱包は額縁を通販で購入したときの箱がそのまま使えます。額縁に絵付けしたタイルをいれて出荷するのが最も簡単で確実です。
ただし、ネコポスの厚み制限である2.5cmをクリアーできませんので宅急便など他の発送方法を使う必要があります。当然発送費は別途いただくか商品価格に反映されます。
額縁つきの商品は、とにかく何もしないで写真陶板が欲しいというお客さま向けです。
2)額縁の選択を購入したお客様に任せる場合
商品の作製と発送に手が掛からないというメリットがあります。一部の額縁で必要となる加工方法は、商品に説明書を同封しますので、それをそのままお客様に送ってください。
梱包には当社から送った封筒を再利用できます。タイルの破損防止用のべニア板もそのまま使ってください。
ネコポスで発送するときの宛名ラベルは、プリンターで印刷して、来た時のラベルの上から貼り付けてください。
お客様の中には、額縁の加工くらい自分でやるという人や、加工を必要としない額縁を買えば良いのだろうという人、額縁は自分の好みで選びたいという人がいます。
この商品は、このようなお客様向けです。
写真陶板を単体で販売する場合、ビスネスを始めるための初期投資はポーセラーツの先生なら何もありません。道具もスキルも既に持っています。
初期投資も在庫も必要ないのですから、ビジネスは失敗のしようがありません。注文が1枚取れれば黒字であり1枚も取れなくても損失はゼロです。
コロナ後の社会ではサロンの運営は厳しくなっていくでしょう。作品を作る喜びだけではなく、価値を生み出す喜びを生徒さんと共有してください。
このビジネスを始めるときに皆様が越えなければならないハードルは、趣味でやってきたことでお金を取って良いのかという気持ちの問題だけです。
日本は資本主義国家です。価値のないものには誰も対価を支払いませんが、逆に価値があればそれに見合った対価を支払います。
このビジネスは誰にも迷惑をかけませんし、人をだましてお金を取っているわけではないのです。
専業主婦のこのような経済活動を国としては大いに歓迎するはずです。コロナ後の経済のV字回復に皆さんも貢献してください。
電気炉をお持ちでない方は最終的には購入が必要になります。生徒さんを教えるサロンを開くのでなければ30万円以上もする大型炉は必要ありません。
電気炉の機種選定のときの必要条件は、プログラム昇温ができること、炉内スペースがタイルの大きさよりも大きいこと、家庭用コンセントで使える1.5kW以下であることです。
当社では、例えばペインターズキルンmini(12万円)を推奨します(ただし、テストはしていませんので購入は自己責任でお願いします)。
写真陶板専用の焼成炉にするには、棚板と支柱をそれ用に用意する必要があります。必要な場合は当社にご相談ください。
最初は投資をせずに電気炉を借りるか焼成サービスを利用してください。どうしようもなくなるまでお財布の紐はしっかりと閉じておくです。
一方、コンピュータとプリンターは必須ですので、お持ちでない方は最初から用意してください。
最も低いスペックのノートパソコンと、プリンターも単色のインクジェットで十分です。
コロナ後の社会ではインターネットを介したIT機器は必須になります。これは勉強しておいた方が良いです。
とにかく最低の投資でビジネスを始めてください。このビジネスの最大の利点は顧客の数がほぼ無限ということです。将来は海外進出も可能です。
競合技術は、色あせしないプリント、オーブン焼き付け転写紙、タイル直接印刷などがありますが、艶のある陶器の質感とポーセラーツの経験を活かしたデザイン、
小回りが利くフレンドリーな顧客対応などで十分チャンスはあると思います。
最後に、なぜ当社が専業主婦の方の在宅ビジネスにこだわるのかを書いておきます。
セラムアーツを始める時は、専業主婦の方の起業を、陶芸というちっぽけな世界ではありますがお手伝いしたいという思いでした。
会社を始めて最初の年にあるお客様との出会いがありました。その方はポーセラーツを学んだ経験があり、その時は結婚されて出産もしていました。
お子様は自閉症と診断されたそうです。最初はわかないそうですが、徐々に他の子とちがうと不安になり、診断結果が出たときは相当なショックを受けたそうです。
ご自身を責められ、何度もお子さんを抱いて高層アパートのベランダから飛び降りようとしたそうです。
しかし、自分が強くなってこの子を守らなければという思いでとどまりました。この子がいると外に働きに出られないので、子供と一緒に自宅で出来る仕事が欲しいと言っていました。
人によっては親の介護であったり年齢や健康状態であったり経験のなさであったり、理由は異なりますが、在宅で仕事をしたいと思う方はこのお母さん以外にも多いのではないでしょうか。
自分の専門とするセラミックスは小さな世界ですが、セラムアーツはこういう方のお手伝いをするための会社にしようと決めました。
自分は理系人間なので障害を持って生まれたお子さんに対してもひとつの考えがあります。生物学的に劣性遺伝子は長い人類の歴史の中でずっと前に自然淘汰されています。
つまり、今生まれてくる子供たちは全て生まれる価値があり、優劣はないということです。
家内の友人(仲間)にも同様のお子さんがいます。その家庭は経済的に余裕があり、その子を遊びの会合に連れてくるそうです。
いつも、家内からは、純真で可愛い子と皆から愛されていると聞いています。お母さんもその子もとても楽しそうにしているようです。
自分は、日本はそんな社会であってほしいと思います。コロナ後の社会は弱者に厳しい社会になります。
そうであればこそ、専業主婦の方が在宅ビジネスで収入をえるのはますます重要になると考えています。
2020年7月 セラムアーツ店長
2019年7月 ふちなし転写紙、老後の生活、家庭内起業の鉄則
○新ふちなし転写紙
このブログは1年に1回は更新する予定でしたが、2018年は更新できませんでした。
これはふちなし転写紙の開発に悪戦苦闘したためです。セラムアーツをオーダーメイド転写紙の専門店にすると決めてから、理想の転写紙を追い求めて技術開発を続けてきました。
理想の転写紙はフルカラーで彩度の高い強い色が出せ、柔軟で表面光沢があるふちなし転写紙です。
ドイツ製のふちなし転写紙は顔料のトナーにフラックス粉末を加えるため、色が薄まって強い色が出せません。
レーザープリンタで印刷した部分の上にのみフラックス粉末を載せることができれば、理想の転写紙ができますが、それをどのように実現するか毎日考え続けました。
ひとつの方法として、業務用インクジェットプリンタで印刷位置を制御してフラックス粉末を必要な場所に印刷する方法が考えられますが、業務用プリンタが数百万円もするので実現はできませんでした。
2018年8月のある日、家内と鉄板焼きを食べているときに画期的なアイデアを思いつきました。
レーザープリンタのトナーには低融点の樹脂が入っていて、印刷後200度程度に加熱しこの樹脂を溶かして紙に顔料を定着します。
そうであれば、その樹脂をホットプレートで再溶融すれば、それを接着剤としてフラックス粉末を印刷面の上にのみ固定することができます。
このようにして商品化したのが2018年9月から売り出したふちなし転写紙です。
しかし、フラックス量が安定せず焼成後に指でこすると色が落ちてしまうという定着不良に悩まされました。
特に、ドイツ製のフラックス(黒)が新しくなったのを契機に定着不良が頻発し、販売後一年を経ずに販売中止に至りました。
ここで学んだのは、製造業で不良を出したら利益は全てなくなるというものでした。転写紙の弁償は安いですが、白磁の弁償は非常に高額になります。
転写紙販売の怖さを思い知りました。この不良で何人かのお客さまを失ったと思います。これも申し訳ない気持ちで一杯です。
しかし、理想の転写紙を作りたいという気持ちは抑えがたく、インクジェットプリンタを使って再トライすることとしました。
印刷面に接着剤をインクジェットプリンタで塗布し、その上にフラックス粉末を振りかける方法を採用しました。
業務用のインクジェットプリンタはとても買えないので、一般用の市販プリンタを使おうと思い、結果的に10台以上のインクジェットプリンタを購入してテストしました。
また、インクの調整にも長い時間がかかりました。その他にもフラックスの粉末の調整が重要なことが分かりました。
全ての条件を調整し、やっと売り物になるようなレベルに到達しました。
しかし、理想の転写紙とは言えない部分が残りました。それは表面光沢です。フラックス粉の量を増やすと表面光沢は増しますがちぢれという欠陥が発生します。
何度も何度も焼成テストを繰り返し改善を試みましたが、最終的にこの方法で表面光沢を得るのは原理的に不可能という結論になりました。
そこで、表面光沢を増すために印刷トップコートという新商品を販売することにしました。これで、技術開発は一段落となりました。
○老後の生活
セラムアーツは家内とやっている家庭内零細企業です。60歳を過ぎて最近は老後の生活が気になるようになりました。
皆様の中には、少子高齢化で日本の年金制度は将来破たんするのではないか?と不安を持っておられる方がいると思います。
これは間違いで年金制度は既に破たんしています。つまり、年金制度の破たんは年金支給額がゼロになることをではなく、毎月受け取る年金で生活できなくなることです。
「老後、年金以外に2,000〜3,000万円の蓄えが必要」は、決して間違っていないのです。
我々の親の世代は、支給される年金で普通の生活ができて、節約すれば少しは貯金ができました。
退職金は生活に使う必要がないので資産運用に回せて、得られる利子で孫の小遣いや夫婦での小旅行の出費くらいは出せました。幸せな時代だったと思います。
現在支給される年金額は、親の世代にくらべそれほど低くなっているわけではありません。
それでも破たんしているというのは、年金だけで老後の生活を賄うことができなくなったためです。毎月毎月蓄えを切り崩して生活しなければならなくなりました。
主婦の方ならわかりますが、こんな生活をしていたら貯金はすぐになくなってしまいます。そうなれば資産運用もできなくなり、最終的にはホームレスまで転落していきます。
ではどうやってそれを防げば良いかですが、答えは簡単で毎月10-20万円の収入を得れば良いのです。どうやって稼ぐか?
「いざとなったらコンビニでバイトしてそのくらいは稼ぐわ」、このような安易な考えが最も危険です。忘れてならないのは少子高齢化です。つまり、貴女と同じ境遇の人は吐いて捨てるほどいるのです。
コンビニのバイトにありつけるのは夢のまた夢という時代が来るでしょう。せっかく仕事を見つけてもいつ切られるかわからない不安の中で生活することになります。
老後になれば体力もなくなるので肉体労働は敷居が高くなります。それが日本のきたるべき老後社会なのです。
つまり、人に使われていたのでは自分の生活は守れないということです。そうです。問題の解決には起業しかありません。
起業というと社長になって月に何百万円も稼ぐイメージがありますが、そんな必要はありません。月に20万円現金収入があれば問題は全て解決します。
そのためには、現役時代に10万円/月程度のビジネスを始めておき、老後に時間ができてからその規模を倍に拡大します。
ただし、貴女が既に老後であったら起業は絶対に止めた方が良いです。最初のビジネスは失敗します。なけなしの貯蓄を失い路頭に迷うことになります。
家庭内起業は貴女のご主人にはできません。貴女のご主人は退職後、単なる家庭ゴミになります。
貴女のご主人は一流会社に勤めていたエリートですが、会社を辞めればただの人です。
「老後に安定した収入を得るのが重要」ということで、責任感だけは無駄に強いご主人は仕事をして収入を得ようとしますが、プライドが邪魔して意に沿わぬ仕事には就かず人に使わるのも嫌います。
Webで色々な情報を集めたご主人は、一念発起し自分の才能と人脈を使って起業をしようとするでしょう。人の良いご主人はWeb情報に簡単に騙されます。
決まり文句は「社会の第一線で活躍してきた自分ならできるはずだ」です。
貴女はそれを絶対に阻止しなければなりません。何故ならご主人のビジネスは100%失敗するからです。
大会社の一部の仕事をしていた人には、社会に独りで出たときに通用する実力はありませんし、人脈は本人のものではなく会社のポストが作ったものです。
「退職したら皆な冷たくなった。あいつらは恩義もなにもない。けしからん奴らだ。」これが決まり文句です。誰も起業には協力してくれないでしょう。
貴女の説得で起業をあきらめたご主人は、図書館、スポーツジム、公園を徘徊し、たまに町内会にでると昔の自慢話をして嫌われ、朝から晩まで居間でテレビを見続けます。
生きがいを失った抜け殻です。貴女との会話もなくなり、ご主人の言うことはたったの3つになります。「どこ行くの?」「いつ帰るの?」「俺の飯は?」
相当ストレスの溜まった貴女は、とうとう最後の一言でブチ切れます。「出かけるなら、僕も連れてって」
貴女はこんなゴミと生活するなら熟年離婚した方が良いと思うかもしれませんが、短気を起こしてはいけません。離婚すれば老後貧窮に陥る確率が飛躍的に増大します。
こんな生活にならないために、若い時から計画し、貴女自身のスキルで家庭内起業をしなければなりません。
好きなことに熱中し、常に「どうやったらこの好きなことで月10万円を稼げるか」を自らに問い続ければ、必ず答えが見つかります。
「私は日中はパートでその後は家事で好きなことをする時間もないし何のスキルもない」、大多数の専業主婦の方はこう言います。
しかし、貴女の強みは大多数の人の気持ちがわかることです。貴女と同じ境遇の人は何を望んでいるのかを考えれば良いのです。そこにビジネスチャンスはあるのです。
ただ、ひとつ忘れてならないことがあります。
貴女が千人に一人のスキルを持っていれば千人の顧客が得られ、一万人に一人のスキルを持っていれば一万人の顧客が得られます(月10万円なら千人でお釣りがきます)。逆に言えばスキルがなければ起業は失敗するということです。
何でも良いので好きなことをやってそのスキルを磨きましょう。そしてどうやったら月に10万円稼げるかを考え続けるのです。
起業の計画が上手くいき貴女がビジネスに成功したら、ご主人を雇ってあげましょう。もともと能力はある人なのです。使いどころを選んで持ち上げれば相当役には立つはずです。
これでご主人も生きがいを見つけることができ、生活も張りのあるものに変わるでしょう。たまに「俺のおかげでおまえのビジネスは上手くいっている」とか寝言を言うでしょうが、心の中で「寝言は寝て言え」と思い我慢しましょう。
それでも離婚よりははるかに良いはずです。
家庭内起業の鉄則
鉄則1:月10万円の収入を目指す
まずは副業で月10万円の収入を目標にしてください。それ以上になると本業に支障をきたします。老後になって専業になったら月20万円を目指します。
贅沢を夢見て月100万円を狙っても、もうすでに誰かがやっていて、既にやられているビジネスに新規参入などできるものではありません。
月10万円であるからこそ隙間が狙えるのです。しかし、月10万円でも決して簡単ではありません。安定して得るのに5年はかかることを覚悟してください。
起業してお金を稼ぐことはそんなに簡単ではないのです。老後の生活は月20万円の収入があれば何とかなります。
その時になれば20万円の収入が如何に貴重かがわかるでしょう。起業して得た収入の有り難いことは、頑張ればもっと増やせるという希望があることです。
年金のように毎月決まった額で増える可能性がなければ夢も希望もありません。パート収入も同じだと思います。起業して得たお金は貴女の本当の実力で得たお金で、工夫次第で増やすことは可能なのです。
ご主人と協力して少し収入が増えたら2人で食事にでも行ってください。頑張って上手くいったから美味しいものを食べようと行ったレストランの味は、ミシュラン5つ星よりも上のはずです。
老後の幸せはお金ではありません。やりがいや生きがいの方が大切なのです。
鉄則2:将来を見越した投資をしない
これは非常に重要です。ビジネスに失敗するのはお金を使うからです。極端な話、全くお金を使わなければビジネスは失敗のしようがありません。
仮に失敗しても「ただ働きしちゃった」で済みます。これは経験と勉強にはなりますが失敗ではありません。そう考えれば借金して投資するなど論外なことがわかります。
先を見越した投資はほぼ100%無駄金となって消えます。ビジネスを始めたときに先など見越せません。貴女は主婦ですから、財布の紐はきっちりと締めてください。
お金を払うのは最後の最後でこれを支払わなければ物が作れないとか、人に迷惑をかけるとかの場合に限ります。その時も必ず最少の出費にしてください。
例えば買うよりレンタルで済ませ、本当に必要なったら中古を買いましょう。
会社を作ったので事務所を借りようも無駄です。まずは自宅で開業し、狭くてどうしようもなくなったら別の場所を借りても良いです。
その時に探す物件は、ビジネスを始めるときに探した物件とは大きく違っているはずです。
ビジネス立ち上げ時の先行投資はほぼ全て無駄になることを決して忘れないでください。
鉄則3:アイデアとスキル
ビジネスを成功させるにはアイデアとスキルの両輪が必要です。貴女はポーセラーツのインストラクタ―の資格を持っていて、将来、サロンを開いて収入を得ようと考えているかもしれません。
申し訳ありませんが、おそらく上手くいかないでしょう。
ポーセラーツのサロンはインストラクターを育てることを目的としています。
インストラクターが増えれば生徒の奪い合いになり、最終的にはインストラクターと生徒の数が同じになってインストラクターの資格は意味をなさなくなります。
つまり将来にわたって生徒数を確保できない可能性があり、そうなれば老後の収入にはなりません。
原因はアイデアとスキルの両方ともに足りないからです。
サロンは多くのインストラクターが持っていて同じことするのでは何のアイデアも必要ありません。つまり、他の方と差別化ができていないのです。
上で「スキルを磨きながらどうやったらそのスキルでお金が得られるかを考え続ける」と書きましたが、ここで考えるのがアイデアです。
アイデアを出すとはどういうことか?それはポーセラーツのサロンを作るのではなく、その元締めのヴォーグのようなビジネスを作るということなのです。
ヴォーグのビジネスを考えた人は非凡な才能を持っていると思います。ビジネスを成功したければ、貴女も新しいアイデアを必死に考えなければなりません。
スキルが足りないという点は納得できないという方もいると思います。
インストラクターとしてビジネスをするなら、インストラクターとして卓越したスキルが必要で、そのスキルはポーセラーツのスキルだけではないのです。
インストラクターとしてのスキルが千人に1人のように抜きんでていれば、貴女のサロンは生徒さんが途絶えることないかもしれません。
しかし、習い事の先生は将来にわたり安定した収入を得るのは難しく、生活のため生徒さんにやめないでほしと願っているようでは楽しい仕事とは言えないでしょう。
サロンをやるなら収益ではなく趣味に徹する方が良いかもしれません。
鉄則4:利益率は最低50%
利益率50%とは、簡単に言えば1万円収入を得るのに2万円の売り上げが必要ということです。1万円稼ぐのに10万円の売り上げが必要なら利益率は10%になります。
利益率が高いほどビジネスの質は高いと言えます。貴女が家庭内起業するならば利益率は50%以上が必要です。
貴女が絶対に手を出してはいけないビジネスの例はネットでの小売業です。そんなことをしてもアマゾンには絶対に勝てません。その理由はアマゾンの送料は無料だからです。
顧客は、貴女のショップで売る商品の値段は送料分だけアマゾンよりも高いと感じます。仕方がないので、販売価格を落として、すなわち、利益率を犠牲にして販売せざるを得なくなります。
一定の売り上げを得るには品ぞろえが必要です。貴女の部屋は在庫品で埋まり、その中で毎日必死に梱包・出荷をしてわずかばかりの収入をえることになります。
そんなことをする位なら内職の方がましです。また、利益率の低いビジネスは危険もあります。
一定の収入を得るのに動かすお金と物量が多くなりますので、何らかのトラブルが生じたときにそれを補償するための金額が大きくなります。
何故、このような酷い事態になるのでしょうか?それはこのビジネスを始めるにあたり、貴女のアイデアもスキルも全く使っていないためです。
そうなればコストで勝負するしかなくなり利益率が低下します。つまり、利益率を上げるには貴女のアイデアとスキルをフルに活用するしかないのです。
鉄則5:在庫を持たない
在庫とは加工や販売するために保有する原材料や商品のことです。貴女のビジネスにとって在庫は悪魔です。在庫を持ったらビジネスは失敗すると言っても過言ではありません。
まず、加工のための原材料ですが、その金額が販売価格に対し大きいということは利益率が低いことを意味します。安い原材料に貴女のスキルで付加価値を与え高く売ることが重要です。
商品を在庫として持つ意味は、注文が入ってから作ったのでは納期が間に合わないので、予め作っておくということです。
しかし、売れなければ在庫はそのまま損失になります。家庭内起業では置いておく場所を確保するのも大変です。
何故、納期が重要なのか?それは他の企業からも買えるからです。貴女のスキルにより貴女しか作れないのであれば、納期は長くても顧客は待ってくれます。
つまり、在庫を抱えるのは貴女のスキルが十分活かされていないためです。重要なのはスキルを向上し商品の付加価値を上げることで、そうすれば在庫も自然と少なくなります。
鉄則6:宣伝をしない
正確に言えば宣伝に一切お金を掛けないということです。貴女がビジネスを始める時にネットと無関係にはできません。もうそういう時代になっています。
そうだからと言ってネットやパソコンの専門知識が必要ではなく、ご自身のブログを持つ程度のスキルで十分です。それもできない方は少しずつ練習しましょう。
貴女が何らかのネットショップを立ち上げたら、次の日から多くのメールを受け取ります。そのほとんどがどこぞに宣伝を出さないか?ネットショップのアクセス数を上げないか?という内容です。
何も考えずに全て断ってください。そんな出費は何の意味もありません。貴女が日本人全部を対象にするようなビジネスを考えていたら、まず、間違いなく失敗します。
貴女のビジネスの顧客は1000人で十分なのです。ただし、その顧客はリピータにならなければなりません。
顧客の対象範囲を広げリピータが出ないような商品を取り扱えば、非常に多くの人に貴女のビジネスの存在を知ってもらう必要があります。
その宣伝費は莫大な額になり、10万、20万の宣伝費など何の役にも立ちません。Yahooページに宣伝を出すだけで例えば2週間でも数十万円かかります。
しかし、2週間の宣伝で一体何人の顧客が得られるでしょうか?答えはゼロです。貴女のネットショップへのアクセス数は最初は数人/日で、宣伝を出せば10人位にはなるでしょう。
しかし、宣伝期間を過ぎれば数人に逆戻りです。つまり、数十万程度の宣伝費をかけても全く無駄なので、そういう出費は最初から一切しない方が賢明です。
鉄則7:WEBのアクセス数を自分で上げる
貴女は十分考えて新しいアイデアも出し、ビジネスのためのスキルも磨きました。しかし、それで起業しても全く売れないでしょう。
ネットショップのアクセス数も数名/日程度で変化しません。
これは貴女のビジネスが悪いのではなく当たり前の現象です。貴女がいくら素晴らしいビジネスをしていても誰もそれを知ることができないので売れるわけはないのです。
スーパーで言えば貴女の商品は陳列棚に置いてないのです。「それなら宣伝するしかない」ですが、有効な宣伝するには莫大な費用がかかります。
この矛盾を解くのがビジネスを成功するための最大の難関です。
よくタレントの奥さんがファッション関係のビジネスを始めて成功したというニュースがあります。さすがタレントが結婚する人は才能がちがうと考えがちですが、これは間違っています。
タレントの奥さんという時点で、宣伝という最大の難関をクリアーしているのが理由です。極端に言えば、商品の優劣でビジネスの成否はきまらないということです。
ネットショップのない時代は、宣伝できなければそれでビジネスは立ち上がりませんでした。逆に言えば、宣伝の資金があればそれほど競争せずとも成功する確率は高かったと言えます。
この状況を抜本的に変えたのがネットショップと我らが正義の味方グーグル検索です。
ネットで買い物をするときには誰でもグーグル検索でショップを探します。このときに第一ページに貴女のショップが出ていれば何の宣伝もしなくてもビジネスは成功します。
検索エンジンに向けた対策・最適化を「Search Engine Opimization, SEO」対策と言います。世の中にはこのSEO対策をビジネスにしている会社が数多くあります。
しかし、そんな会社にお願いする必要はありません。
グーグルは貴女のような新規ビジネスを始めた方の味方で、真面目にWEBを更新し有用な情報を提供するページを検索の上位にくるようにしています。
それでも、ごく初歩的なSEO対策は貴女自身がしなければなりません。まず、貴女のビジネスの顧客対象を1000人にし、その人たちがリピータとして何度も買ってくれる商品・サービスを用意してください。
顧客対象者が1万人の場合は、ビジネスが成功する確率は著しく低下します。要するに日本人全体の1000人ですから超オタク・マイナーな商品・サービスで良いのです。
相当変わった趣味を持っていて、同じ趣味の人など一人もいないと思っても日本には1000人程度は同じ趣味の人がいるもんです。
その人たちが自分のWebページにたどり着くには、どんなキーワードで検索するかを考えてください。適切な検索キーワードを3つ選ぶこと、これが成功の秘訣です。
例えば「自動車」というキーワードで検索すれば数万におよぶヒット件数があるでしょうが、その中で貴女のページを第一ページに持ってくるのは不可能です。
つまり、「自動車」のようなキーワードを選んでも何の意味もないということです。
逆にあなたの名前をキーワードにして検索すれば、貴女のページはヒットして第一ページに来ますが、誰も貴女の名前をしらないのでそんなキーワードも無意味です。
つまり、自動車と貴女の名前の間のキーワードを選ぶ必要があるわけです。1000人の顧客対象者が必ず使うキーワードではあるが、他の人は使わないがベストです。
最も良い例は「ポーセラーツ」です。まず、そういうキーワードを3つ選び。Webページのタイトルにその3つを必ず入れてください。
グーグルはタイトルを第一優先にして検索を行います。また、indexページのコンテンツにこの3つのキーワードをテキストでちりばめてください。次に貴女のページをグーグルに登録します。
これで宣伝作業は全て終わりです。自分でやれば無料です。この他の宣伝費はお金の無駄ですので一切やめましょう。この作業をしたら、黙々と真面目にページを更新します。
貴女の顧客対象者が興味のある情報、喜ぶ情報、ためになる情報をこつこつとアップし続けます。気がついた時には貴女のページのアクセス数は数十件/日になります。
月10万円の収入を得るにはこれで十分です。このページで顧客対象者が何度も買うであろう商品・サービスを販売してください。これで貴女のビジネスは成功するはずです。
鉄則9:ぎりぎりの最低価格で
セラムアーツは激安価格で転写紙を販売しています。もちろん、これはお客様のためでもありますが、自分のビジネスを守るためでもあります。
既にあるビジネスに参入するには価格を半分にしなければならないと言われています。
そうであるならば、最初から採算ラインぎりぎりの価格を設定しておけば、誰も貴女のビジネスを奪うことはできないということです。
ここで貴女のビジネスが副業であるという利点を活かします。貴女は生活に困っているわけではなく、所詮月10万円が目標なので思い切って安い値段を打ち出してください。
固定費のかかる通常の企業はついてこれないはずです。
ある手描きの陶芸の先生が、「最近は素人が安い値段で販売して困る。こっちはプロで生活がかかっているんだ。」と言っていました。
はっきり言って、「知るか。プロならスキルで付加価値を上げて高い値段で売れば良いだろ。そのスキルがなければプロとは言えない。」です。
今は素人/プロという時代ではありません。お客の必要とする商品・サービスを安い価格で提供する企業が勝者なのです。
鉄則10:人のために働く
お金儲けのために起業するのは当たり前なのですが、ビジネスを考えるときは「人のため」に働くことを心がけてください。
人を騙して大金を得ても老後の人生は幸せにはなりません。所詮、棺桶の中にお金を入れることはできないのです。
十分な年金が支給されれば起業など必要ないかもしれません。しかし、現状のままでは自衛手段を講じなければホームレスへと転落してしまう危険性があります。
贅沢のためではなく、あくまで、自衛のためですから、必要以上の収入ではなく、人を幸せにし人に喜んでもらい、その対価を少しもらうに徹してください。
それでお金の心配はなくなり、愛するご主人と生きがいのある充実した老後を送れればそれが最も幸せな人生です。
お金を稼ぐために四苦八苦しストレスをためて、それが原因でガンを発症したら、治療費で稼いだお金はなくなります。
毎日を前向きに生きがいを持って暮らし、心配事が無い生活をしていれば病気にもなりません。そんな老後が良いとは思いませんか?
以上です。長々と書いてしまいましたが、自分の意見を言いたいための文章ではありません。
このブログを読んで一人でも家庭内起業を試み、成功させて充実した老後が送れるなら、セラムアーツを立ち上げた意味もあります。
セラムアーツもまたお金儲けのためではなく、人の幸せのために立ち上げた会社です。それだからこそ頑張れるのです。
さあ、恐れず臆さず夢に向かって進んでいきましょう!!
2019年7月 セラムアーツ店長
、
2017年7月 今思うこと
2013年にセラムアーツを設立してから4年が経過しました。下の文章を読むと当時のことが鮮明に思い出されます。
結果として、セラミックスを使ったiPhoneケースは思ったほど売り上げが伸びず、ビジネスとしては失敗でした。
自分の思い込みと過信を痛感しました。企業を立ち上げても最初は失敗するとよく言われますが、今ならその意味がわかります。
十分な市場調査をせず熱意と思いこみだけで売れると確信し、売れたときを想定して投資をして在庫を抱えました。
後になると、投資と在庫は全て損失となって跳ね返ってきました。
セラムアーツを始めたころは、iPhone用セラミックスプレートを出荷するときのケースで随分悩み、高級ケースでなければならないということで、特注して千個ほど作りました。
しかし、実際に使ったのは10個以下で、包装はビニールの梱包材に包めば十分でした。
この他、アルミフレーム、ラバーフレームも大量に生産しましたがほとんどは在庫となりました。
また、強度が高いが値段も高いジルコニアセラミックを使ったのも間違いでした。ユーザーは多少強度が落ちても値段が10分の1のアルミナプレートを選びました。
全ては自分の勝手な思い込みでビジネスプランを考え、顧客の正直な声には耳を傾けようとしなかったのが失敗の原因です。
ビジネスが上手くいかないときは、こうすれば売れるはず、ああすれば上手くいくはずと考え、投資を拡大して損失を増やします。
熱い気持ちがないとビジネスは立ち上がりませんが、熱い気持ちこそが失敗の原因にもなることを学びました。
通常でしたらセラムアーツは失敗で終わるはずでした。損失は数百万円でしたが、お金よりも失望感だけが残り、そこで止めていたら負けただけの人生になっていたと思います。
セラムアーツを救ったのは、開き直って始めたデジタル転写紙のビジネスです。3年前にiPhoneケースの先行きが見えたところで思い切ってドイツの会社にメールし、最後の資金を全て使ってプリンターを購入しました。
iPhoneケースの失敗で学んだことは、中国で生産したものを日本で売るだけでは利益は上がらないこと、在庫を抱えてはいけないこと、利益率を上げなければならないことでした。
デジタル転写紙は、材料は紙とトナーですがオーダーメイド印刷をすることで付加価値をあげることができます。自分の技術で付加価値を上げることがいかに大切かを学びました。
しかし、デジタル転写紙のビジネスを立ち上げるのには本当に苦労しました。まず、褐色の部分に穴が空く問題が発生し、それが何故なのかわからず試行錯誤を繰り返しました。
強い色で印刷すると欠陥が発生し、それを抑えるにはボケたような淡い色まで落とさなければなりません。また、色ずれもひどく印刷するたびに、なんでこんな色なんだと失望しました。
そのころ出荷した商品は今考えれば本当にひどい出来で、お客様には今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです。そのころのお客様が今でも利用してくださるのは本当に有り難いと思っています。
ポーセラーツの先生方は本当に優しい方ばかりで、たまにブログを見ると皆さまとても綺麗でセンスが良いので驚きます。
そんな先生方に迷惑をかけてばかりでしたが、徐々に徐々にデジタル転写紙というものが分かるようになり、印刷条件も少しずつ精密化してきました。
トビと縮みを抑えるスプレーを開発できたことも大きかったです。
今は、なるべく濃い色を出そうとし時として限界を超えて不良を出すこともありますが、すぐに条件を緩和して2度と同じ間違いがないようできるようになりました。
試行錯誤を繰り返し最終的に到達した色合わせ方法はなんと目視でした。デジタル転写紙の色ずれは本質的な問題でデザインごとに異なります。
何回か印刷し目で見て満足いくまで色を調整するのが最も正確であるという結論に達しました。
こんなに時間をかけたら採算が合わないと思いますが、もう少しもう少しと粘って何枚も印刷してしまいます。
それでも色を完全に再現することはできませんが、「これでだめなら他に頼んで」と思える段階まで調整するようにしています。
最近は印刷した転写紙を見て、綺麗にできたと思えるようになり、自分の仕事にも少し満足できるようになりました。
まだまだ改善点はありますが、一応、完成といえるようになったので、この文章を書くことにしました。
セラムアーツの実態はベンチャーなどと言えるものではなく、家内と二人でやる零細企業です。
セラムアーツの収入は決して多くはありませんが、退職後に人に雇われるのではなく自分の力でお金を稼ぐことができることは、生きがいという意味でも重要だと思う今日この頃です。
今後の目標は海外展開です。日本のポーセラーツの先生方は非常にレベルが高いので、同じようにやれば大丈夫だろうと考えています。
世界で最も綺麗なデジタル転写紙を最も安く販売するつもりです。自分も日本人の職人の一人として頑張ります。
デジタル転写紙を始めてから3年が経過し、今思うことは、何よりも、不良品と失敗にも関わらずご利用いただいたポーセラーツの先生方への感謝です。この場を借りて改めて心から御礼申し上げます。
2017年7月 セラムアーツ店長
このショップはセラムアーツ合同会社により運営されています。ご来店誠に有難うございます。
セラムアーツは、セラミックス関係の研究をしている自分(店長, 男,56歳)とその姉(ピアノ教師・音楽家)、自分の奥様(専業主婦)が中心となり、
「技術と芸術の融合」をコンセプトに、2013年に湘南・藤沢の地に設立された合同会社です。セラムアーツの最終目標は、特に家庭にいて現在仕事をしていない女性の方に、
自分の趣味を活かして収入を得る方法を提供することです。女性のこのような経済活動の積み重ねが将来の日本を支える力になると信じて会社を設立しました。
セラムアーツ設立の経緯(1)“日本製工業製品の付加価値を上げたい”
2005〜2012年の7年間は日本の技術者にとってまさに受難の時代でした。新興国の追い上げと円高により日本製品の競争力は失われ、工業大学出身である自分の友人の中にも、リストラされたり出向になったりした人が数多くいました。会社を辞めた技術者の中には、生きていくために韓国企業へ行って
自らの技術を売り渡すしかなかった人もいますし、夢も希望もなくして精神的な病となり自ら命を絶った人も少なくありません。世界をリードしていた日本の技術が競争力を失い、
企業だけでなく社会全体にも閉塞感が漂っていました。それに追い打ちをかけたのが2011年3月の東日本大震災でした。福島の原子力発電所の爆発をテレビで見たとき、
これで日本も滅んでしまうと思い涙が止まりませんでした。
しかし、日本人は強い民族でした。震災の復興でヒーローはいませんでしたが、一人一人が自らの仕事を懸命にこなし、命の危険があっても黙々と義務を果たす人、
ボランティアで汗を流す人、私財から多額の復興資金を寄付した人などが数多くいました。
自分も微力ながら日本のために何かをしたいと強く強く思いました。
そして、どうしたら日本の工業製品の付加価値を飛躍的に上げられるかということについて、真剣に考え始めたわけです。その解答は工業製品へ芸術的な要素を取り入れることでした。芸術性の高い絵画は、絵の具とキャンパスの値段の数万倍、あるいは、
それ以上の価値を生み出すことがあります。これは工業製品では全く不可能なことです。なんとか自分の専門であるセラミックスと芸術を融合した新しい製品を作りたいというのが、
セラムアーツ設立の最初の動機でした。
セラムアーツ設立の経緯(2)“ジルコニアセラミックスでiPhoneケースを作る”
最も頭を悩ませたのは絵を書く「キャンバス」はどこにあるかということでした。iPhoneケースに絵が描かれているのは知っていましたが、
全てプラスチックへの機械印刷で芸術を描くには適していません。そんな中で電気系メーカーに勤める昔の友人から、「スマホの機能は早晩飽和する、
これからは手触りやデザインがスマホの勝敗を決する」という話を聞きました。手触りなら陶器のはずです。毎日使う食器に誰も金属製やプラスチック製は使いません。
しかし、陶器で作ったケースは落とせば割れてしまうという決定的な欠点がありました。
セラミックスの専門家としての知識で、落としても割れないようにするには、高強度ジルコニアセラミックスを使えば良いことはすぐに思いつきました。
しかし、ジルコニアセラミックスでiPhoneの背面の形状を作るのには本当に苦労しました。四角の板を削って外形を加工してカメラホールを開けたらプレート1枚の値段は1万円以上になってしまいます。
硬いセラミックスを切ったり削ったりするのはお金がかかるためです。
値段を下げるには、最初から、あの形で焼き上げるしかありません。しかし、セラミックスは1500℃の高温で焼成したときに20%以上も収縮します。
こんなに収縮した後で±0.1mmの精度で設計どおりの形状ができるのか、カメラホールの形は崩れないか、板は反らないか、表面は平坦になるのかなどの課題が山積していましたが、
これらを試行錯誤で一つ一つ解決していきました。
そして、最後まで残った課題が、陶磁器の手法(転写・手書き)でジルコニアセラミックスに絵付けできるようにすることでした。最終のテストで、
色々な絵の具をつけて焼いたあと綺麗に発色したセラミックプレートを見たときの感動は忘れられません。この成功によりセラムアーツを設立することを決断しました。
女性の方に収入を得る方法を提供したい
日本の女性は、繊細な感性・優れたセンス・芸術的創造力において世界で類のないほど優れています。彼女たちの嗜む芸術的な趣味の多様さとそのレベルは、
日本の工業技術の優位性などをはるかに凌ぐほどです。しかし、彼女たちの多くはそれで収入を得ることができていません。
専業主婦の方は、ご主人の仕事の状況で収入が大きく減っても、それをカバーする手立ては限られています。技術者の夫がリストラでやむなく会社を去ったとき、
その陰で多くの女性が涙を流したはずです。家計を助けるためとはいえ、才能ある多くの女性が辛い労働をせざるを得なかったのは想像に難くありません。
もしも、そのとき彼女たちが自分の趣味や感性を活かして収入をえることができていたら、状況は違っていたはずです。また、運よくリストラは免れたとしても、
我々の世代の老後は決して明るいものではありません。60歳を超えて条件の良い再就職など期待できるはずもなく、僅かばかりの年金収入だけに頼り、
楽しみも生きがいもなく死への旅立ちを待つだけの人生になるかもしれません。
誰も皆、日本人として一生懸命に誠実に生きてきたのに人生の最後にそんな仕打ちはないでしょう。
気持ちの上でも経済的にも豊かな老後を送りたいなら、女性の方も自分の身は自分自身で守るしかないのです。それには趣味として一生楽しんで続けられ、
一定の収入が得られる方法を見つけるしかありません。やりたい仕事で本当の才能を活かすということです。
セラムアーツはそんな方法のうちの一つを提供したいと思っています。
ポーセラーツの先生方、生徒さん、陶芸家の皆さま
セラムアーツのショップを開店した時、いくつかのポーセラーツサロンの先生方にご協力をお願しました。皆さん快く引き受けてくださり本当に感謝しています。
その中で驚いたのは、先生方は皆さん素晴らしい才能の持ち主ですが、自らの作品を販売して生計を立てている人は、ほんの一部しかいないということでした。
残念ながら、これでは折角の才能を活かしていることにはなりません。芸術家は芸術作品を創るから芸術家なのです。でも、作品展を開いても持ち出しの方が多く、
デパートで展示販売をやれば利益の大半はデパートが持っていきます。おかしいとは思いませんか。こんな状況になっている原因はたった一つです。
それは、これまで多くの人が買ってくれる「キャンバス」がなかったためです。
iPhoneケースは現代における世界共通のキャンバスです。販売数は年間数千万枚です。このキャンバスにご自身の芸術を思いっきり描き、
世界中に売ろうではありませんか。現時点で陶器のキャンバスを持っているのは日本だけで、それもデパートのものではなく、我々自身のキャンバスなのです。
ポーセラーツサロンの先生方、生徒さん、陶芸の絵付けが趣味の主婦の方、皆さんの作品が世界で販売され、世界の人の心を豊かにし、
さらにその収入が適切な比率で皆さんに還元されるとすれば、素晴らしいと思いませんか。誇りを持って一生続けられる仕事でしょう。
セラムアーツはそのお手伝いがしたいのです。
セラムアーツは、まだ全く知られておらず売り上げもわずかで、上に書いたことは夢のまた夢ですが、何とか夢を実現するように努力していきます。
何年かして、セラムアーツファンの主婦の方が共同で海外販売専門のネットショップを立ち上げるとか、そんなことが起こったら素晴らしいと思っています。
最後まで読んでいただき本当に有難うございました。どうか、セラムアーツへのご理解とご支援をよろしくお願いします。
2013年11月 セラムアーツ店長